"誇りを持って" 『曖昧』 Vol.1

"誇りを持って" 『曖昧』 Vol.1

D.C.WHITE 商品企画部 高橋が送る連載企画『曖昧』。

 

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「今度どこか食事に行こうか」

 

彼女が言う「今度っていつですか?」「どこかってどこですか?」

 

やれやれと胸の中で思う。

 

今度は今度で、どこかはどこかなのだ。

 

Aでもなく、Bでもない AとBの間を行き来する、そんな曖昧な感情を人は持っている。

 

もし人が曖昧という感情を持っていなかったら、小説も映画も全くつまらないものになっていたのだろうと僕は思う。

 

それで、このブログに何の関係があるかって、そこがもっとも曖昧なんです。

 

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吉祥寺からJR中央線に乗り、国分寺で西武線に乗り換えて、高校入学の手続きのために玉川上水駅に向かった。

 

その高校を受験した理由はただ一つ、新設校の為 上級生がいないことだった。

 

一年生にして最上級生、高校生活でどんな行動をとろうが上級生に目を付けられる事もなく自由な3年間が待っていると思っていた。(実態は生活指導の先生に目を付けられることになったのだけれど・・・・)

 

 

手続きを終えると、制服業者であろう人がメージャーを持って近づいてきた。

 

肩幅、バスト、ウエストや股下を採寸して一週間後に自宅に届くと教えてくれた。

 

さて 一週間後に届くその制服はどんなものなのか?

 

 

新設高校の為、何もわからないまま多少の期待を膨らませ一週間が過ぎ宅急便で届いた白く薄っぺらな箱を開けた瞬間、鼻の奥のあたりが熱くなって「ズン」と音をたてた。

 

感動の「ズン」ではない。 むしろショックに近い「ズン」だった。

 

 

えび茶色(体裁よく言い換えればワインレッドとかマルーン)のジャケットにアンティークシルバーのメタル釦、ズボンは白黒千鳥柄、ネイビーのネクタイ。

 

その3点セットが綺麗にたたまれて「ご入学おめでとうございます」とコメントが添えられていた。

 

どこか場末の演芸場のイケてないコメディアンとか昭和歌謡の演奏者を彷彿とさせる制服だった。

 

オックスのボタンダウンシャツ、コインローファー、冬にはステンカラーコートを羽織ってえび茶色のジャケットと白黒千鳥のズボンで3年間の高校生活を過ごした。

 

 

後に、僕は東京都武蔵村山市玉川上水周辺はかつて養蚕(カイコの養殖)が盛んだったと知った。

 

蚕は桑の葉を食べて育つ、桑の実はえび茶だ。その色が制服のカラーのモチーフとなったことを知った。

 

制服のカラーや校章、企業の社章、それらには創立者の理念が込められている。

 

商業的営利を目的とせずに、服装を着る者に切望する純粋な理念だ。

 

 

とりわけ日本では一生、制服(創立者の理念)を身に着けて社会生活を送ることになる。

 

制服を着て幼稚園に通い、小学生の制服は少ないながら香川や岡山の小学生の制服着用率は90%を超えている。

 

詰襟に校章を付けて中学に通い、高校生の制服は言うまでもない。

 

大学においては60年代の学生運動以前は制服を着ていた。

 

社会人になっても制服や社章がある。

 

 

そこで大切なことは誇りをもってその制服を身に着けているかどうかだ。

 

この学校で学びたい、このスポーツチームで競技をしたい、この企業で働きたい・・・・

 

その願いを叶えた者だけが得られるプライド、それを実現した人は制服(ユニフォーム)を身に着けることに誇りを持っていることだろう。




D.C.WHITE・・・・・District of Columbia White

 

コロンブスが新大陸を目指し航海に臨んだように、私達は誠実な物作りの地(White)を目指し、誇りをもって世に提供し、それを身に着けることに誇りを持ち、それらの人々がコミュニティとなって育ってゆくブランドを目指している。

 

West Point Blazerは私達の理念を集結させ作り上げたD.C.WHITEの制服的な意味を持つブレザー・ジャケットだ。

 

West Point Blazer

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¥55,000

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